HOMEイベント2018年2月5日 LPI-Japan Linux技術者認定試験「LinuC(リナック)」リリース記者発表会レポート

2018年2月5日 LPI-Japan
Linux技術者認定試験「LinuC(リナック)
リリース記者発表会レポート

LPI-Japanは、2018年2月5日に日本の市場に最適化した新たなLinux技術者認定試験「LinuC(リナック)」をリリースすることを発表しました。「LinuC」は、2018年2月5日より受験予約を開始し、2018年3月1日より配信を開始しました。
プレスリリースはこちらからご覧になれます。取材記事はこちらからご覧になれます。

LinuCの概要と目的

LPI-Japan理事長
成井弦

LinuC試験の特徴は「日本市場に最適化した試験」ということです。また既存のLPIC対応の教材や研修コースをそのままLinuCの学習に役立てることができ、LinuCでは受験者の方々に新しいシステムで付加価値の高いサービス提供することができます。

LinuCの開発理念・試験と資格の概要

LPI-Japan副理事長
兼 試験開発ワーキンググループリーダー
鈴木敦夫
(NECソリューションイノベータ株式会社)

LinuCの開発理念は「市場ニーズに基づいた高品質で信頼性の高い技術者認定を通し、技術者の育成と活躍の場を広げ、社会の発展に寄与する認定試験を目指す」ことです。LinuCでは、国により市場や理想とされる技術者が異なることを意識し、きめ細やかなローカライズにより真のグローバル試験を目指します。我々は高品質で信頼性の高い試験によって技術者を認定していきます。またこれらを見える化することで社会に貢献していく技術者を増やしていきたいとも考えています。こうした我々の思いが新試験の理念です。

この理念に基づきLinuCをどのように展開するかを考え、フェーズで分けることにしました。まず今回はフェーズ1、高品質で信頼性の高い認定を提供することに専念します。試験範囲や枠組みはLPICと同様にして受験者の皆様や認定校様への混乱を極力抑えます。次のフェーズ2では日本市場ニーズに適した認定試験を提供していきます。最新の技術をいち早く取り込むなどを検討していきます。将来的にはフェーズ3として、アジア地域を中心に我々の試験が役立つなら各国のニーズや状況に応じた試験を提供していきたいと考えています。

ITスキル標準(ITSS)キャリアフレームワーク(通称ISVマップ)については、特定非営利活動法人スキル標準ユーザ協会にLinuCの反映を申請済みです。次回のISVマップの改定時には反映される予定です。

新試験が提供するサービスについて

LPI-Japanマーケティングディレクター
有留由記

LPI-JapanではLinuCの受験を目指す方、スキルアップを目指す方に下記のようなサービスを提供してまいります。

1)LinuC取得優待プログラム
すでにLPIC認定を持っている方がLinuCにスムーズに移行していただけるようになる優待プログラムです。有意なLPIC認定者や合格者の皆様は、2018年8月31日まで、LPIC認定履歴や合格履歴を簡単な手続きでLinuCに移行できます。有意性の期限が切れてしまった方にも優待プログラムがあります。2018年8月31日までに限り、LPICの有意性期限切れの方は同一試験で2回まで、LinuC試験を50%オフで受験可能です。

2)期間限定受験チケット割引キャンペーン
LinuCのリリースにあたり2018年8月31日までの期間に限り割引キャンペーンをご用意しました。期間中は特別割引価格(1〜19枚:5%OFF、20枚以上:10%OFF)でLinuC受験チケット(バウチャー)を購入できます。

3)受験者マイページの改善
受験者マイページがより使いやすく改善され、スマートデバイスに対応し、また、受験結果の表示が詳細になり、再受験対策に役立つようになりました。受験結果を改善して分野ごとのグラフ表示をすることにより、受験者個人には弱点が分かり、弱点克服の項目がわかるようになります。研修機関や企業にとっては受験生のレポートからカリキュラムの改善や従業員のスキルセットの把握が可能になります。

4)LinuC認定者には、認定証(紙とPDF)、認定カード、認定者ロゴをご提供しています。またスキルアップや継続学習に役立つように、誰でも参加できる無料のセミナーを実施していきます。

きめ細やかなサービスを皆様に提供することで、技術者の方々にはスキルアップの支援、ひいては技術者が所属する企業のビジネス発展に寄与して参ります。

各理事からのご挨拶

LPI-Japan理事
高橋千恵子
(日本電気株式会社)

長い間LPI-Japanと一緒にLinux、データベース、OpenStack試験などの普及活動をしてきました。今回の説明でおわかりのように「日本市場に最適化した試験を提供する」がキーワードです。一時期はクラウド、ビッグデータ、ソフトウェアデファインドネットワーク、といったキーワードでソフトウェアが盛り上がりましたが、ここにきてAI、IoT、セキュリティなどがキーワードで色々なシステムが作られています。全ての基本にはOSSがあり、そのOSにはLinuxがあります。すでに多くの企業がLinuxを使っておりますが、改めて新しい技術を取り入れる形でLPI-Japanが試験を展開していくということは心強いと感じており大変期待しています。私もこの活動に微力ながら支援してまいります。

LPI-Japan理事
橋本尚
(株式会社日立製作所)

この試験の開発理念には「高品質で信頼性が高い認定試験を提供することで、技術者の育成と活躍の場を広げる」とあり、これを達成するために開発してきました。日本で開発することにより、翻訳がなくなり、文章の品質が上がります。一番重要なのは試験開発のスピードがあがることです。LinuxをはじめとするOSSは開発スピードが非常に早く、必要とされる技術も刻一刻と変化しています。これまでの試験開発では市場ニーズ組み上げ、分析、試験開発など、いくつもの段階で、いろんな国の事情を調整していくのに時間がかかっていました。日本国内で完結することで、現在のニーズをそのまま試験に反映することが可能になります。LinuCがOSS技術者の発展や企業のビジネスとして活用において、有用なものとなると期待しております。

LPI-Japan理事
福地正夫
(富士通株式会社)

2003年から、弊社のミッションクリティカルサーバー「PRIMEQUEST」の立ち上げでLinuxに従事しております。富士通のお客様に使っていただくために、いただいたご要望から新しい技術を採り入れられるようにコミュニティ活動もしてきました。しかしグローバルではなかなか理解いただけないこともあり、苦労した覚えがあります。グローバル化もありますが、日本独自の文化も痛感しております。そのため市場にマッチした試験は有効だと思います。日本市場のニーズを吸い上げ、それをいかした試験を提供したいと考えております。

LPI-Japan理事
丸茂晴晃
(横河ソリューションサービス株式会社)

2000年のLPI-Japan設立からお手伝いをさせて頂いております。横河のお客様は石油化学、鉄、紙など素材産業の大規模工場で、安全な操業に向け計測、制御システムによる最適化のお手伝いしております。いま工場はインダストリアルIoTを活用し更なる最適化を始めています。ビッグデータの活用を実現するエッジコンピューティング、深層学習を活用した解析など新たな技術を導入し始めています。もちろん、その技術にOSSは含まれます。LinuCはまずはLPICと同じ出題範囲でリリースされますが、先端技術やホットなトピックも採り入れ、日本のより広い層の技術者が最新情報を得る事にも役立てばと考えています。高品質で鮮度が高い新たな認定試験、LinuCの普及を皆様に支えていただければ幸いです。

LPI-Japan理事
中野正彦
(サイバートラスト株式会社)

会社が合併しまして、社名がMiracle Linuxからサイバートラストに変わりました。2000年からボランティアという形で参加させて頂いております。今回の件もLPI-Japanと理事が色々と議論してリリースに至りました。新しい試験をリリースするからには当然より良い試験を作りたいという気持ちがあり、加えて発展した試験にしていきたいと考えました。より良いとは、日本語でわかりやすいこと、より良いサービスを目指すこと、日本に特化した内容の試験にすることが考えられました。発展性についてはIoTやAIといった分野も含めて技術者を認定していきたいと考えています。
リリースにあたり、市場に混乱を与えないという観点で準備を進めて参りました。特に資格取得者、受験者、パートナー企業、認定校、出版社の皆様には混乱を与えないようにリリースを進めてきました。新しい試験なのでフェーズ2から開始したいという思いもありましたが、LPICというブランドを大事にしつつ新しいLinuC試験を発展させていくことにしました。
2000年からLPICを提供しはじめ、おかげさまでここまで試験を普及させることができました。LinuCもLPIC同等、あるいはそれ以上に普及させていきたいと考えています。

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