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もくじ

5章ネットワークの世界

インターネットにはどうやってつなげる?

無線と有線

みんなはスマホがどのようにインターネットにつながっているか知ってるかな?

ネットにつなぐと「ギガが減る」っていうから、「ギガ」でつながってるんじゃないのかな

電波……かな?

スマホから通信キャリアの基地局までは電波だね。ギガは電波で通信するデータ量の単位だよ。ただ、インターネットまでずっと電波でつながっているわけじゃないんだ

スマホから通信キャリア(NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクなどの携帯電話会社)の基地局までは、電波——見えない電気の波——でつながっています。このような電波による通信のことを、無線通信といいます。通信方式には有線通信というものもあり、こちらは名前のとおり金属ケーブルや光ファイバーケーブルで機器同士を直接つなげて通信します。

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無線通信は、特に配線しなくてもつながるという大きなメリットがありますが、通信速度やコスト、確実性などは有線通信のほうが優れています。そのため、家庭や企業と通信回線事業者の間をつなげる通信には有線が使われます。スマホでインターネットにつなげる場合も、スマホから通信キャリアまでは無線ですが、そこから先は主に有線です。

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ギガ

「ギガ(G)」は「キロ」や「メガ」と同じく、何かの量を表すときに使う単位です。ギガは十億を表します。ですから、「5ギガバイト(5GB)」なら「50億バイト」、「5ギガヘルツ(5GHz)」なら「50億ヘルツ」を意味します。ちなみにバイト(B)はデータ量、ヘルツ(Hz)は周波数の単位です。

単位 記号 意味
キロ(Kilo) K 1千
メガ(Mega) M 100万
ギガ(Giga) G 10億
テラ(Tera) T 1兆
ペタ(Peta) P 1000兆

そもそもインターネットって何?

ところでさっき、軽く「インターネットにつなげる」っていったけど、インターネットって何だか説明できるかな?

インターネットは……ネット!

検索とかSNSとかできる何か……?

あまりわかってないみたいだね。じゃあ、あらためてインターネットについて説明しよう

インターネットは、多数のコンピューターネットワークがつながってできたネットワークです。そして、コンピューターネットワークは複数のコンピューターがつながって形作られます。家が集まって「町」、町が集まって「市」となるように、スマホやパソコン、サーバーコンピューターなどがつながったネットワークが、さらにつながって形作られるのです。このつながりを利用して、コンピューター同士がデータをやりとりし、Webやメールなどのサービスを実現します。

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現在はインターネットがコンピューターネットワークの代表格となったため、インターネット=ネットワークと思っている人も少なくありません。大部分のネットワークはインターネットにつながっているのでまったくの間違いではありませんが、インターネットとは異なる方式を使った独自のネットワークも存在します。

例えば、スマホより前に普及していた携帯電話や、大昔のパソコンなどは、インターネットとは仕組みが違うネットワークを使っていたんだ

何だかややこしいなぁ

とにかく、インターネットにつながることで、世界中のコンピューターがデータをやりとりできるようになる。そのおかげで、Web、メール、SNS、検索などのサービスが利用できるんだよ

4G/5GとWi-Fiはどう違う?

4G/5Gは移動通信システム

みんなは4Gとか5Gって聞いたことあるかな?

スマホを買ったときに契約するやつだよね

4ギガ、5ギガ!

4G/5Gの「G」はギガじゃないよ。移動通信システムという無線ネットワークの第4世代が4G、第5世代が5Gなんだ

スマホや携帯電話が使用する無線ネットワークを移動通信システムといいます。移動通信システムは世代(Generation)で分類されており、現在の主流が4G(LTEという別名もあります)、次の世代のものが5Gです。移動通信システムの特徴は、移動しても通信を継続できるという点です。通信キャリアの基地局のうち、スマホと一番近い(つまり電波が強い)基地局とつながりながら、切れることなく通信を続けます。

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スマホの基地局は、街中だとビルの屋上や、電柱の上などに設定されている。どこにあるか探してみると面白いぞ

SIMカード

SIMカードは、スマホに挿す1cm程度の小さなカードです。中には携帯電話会社と契約したことを示す情報が書き込まれており、基地局と接続したときに契約済みであることを認証します。

Wi-Fiは無免許で使える無線通信

無線通信にはWi-Fi(ワイファイ)もある。知ってるかな?

ハンバーガーショップにあるよね

ボクの家にもWi-Fiあるよ

Wi-Fiは「無線アクセスポイント」を買ってくれば誰でも使える無線ネットワークで、家庭や何かのお店、会社内で使われることが多いんだ

Wi-Fiは屋内用の無線通信規格です。4G/5Gなどの移動通信システムでは、国から許可を得た事業者しか基地局を建てることができません。それに対してWi-Fiは免許が不要で、無線アクセスポイントもしくは無線ルーターと呼ばれる機械があれば、誰でも無線ネットワークを構築できます。

Wi-Fiの大きな利点は、それ自体は使ってもお金がかからないという点です。無線アクセスポイントはたいてい家庭や企業の光電話回線につながっています。光電話回線の使用料金はたいてい月額固定なので、スマホをWi-Fiにつないで通信しても追加料金が発生することはありません。いいかえると「ギガが減らない」ということです。

もう1つの利点は、無線アクセスポイントを中心に小さなネットワーク(LAN、ローカルエリアネットワーク)が作られるという点です。この小さなネットワーク内のやりとりは外部に公開されないため、会社内で仕事の情報をやりとりするために使えます。

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スマホをインターネットにつなぐ場合でも、4G/5GとWi-Fiでは経路が違うんだ

4G/5Gは基地局から通信キャリアのネットワークにつながり、そこからインターネットにつながります。Wi-Fiは無線アクセスポイントから光電話回線につながり、そこから電話会社のネットワークを介してインターネットサービスプロバイダ(ISP)のネットワークにつながり、そこからインターネットにつながります。

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そのため、通信料金の件以外にも、次のような違いがあります。

  • 通信キャリアの料金案内ページに接続するときに、Wi-Fiを切って4G/5Gを利用するよう求められることがあります。Wi-Fi接続では通信キャリアのネットワークを通過しないため、ユーザーを識別できないからです。
  • 「スマホの画面をテレビに表示する機能(画面ミラーリング、AirPlayなど)」「ネットワーク接続ハードディスクを利用するアプリ」などはWi-Fiがないと利用できません。無線アクセスポイントを中心としたLANを前提としているからです。

インターネットサービスプロバイダ

インターネットサービスプロバイダ(ISP)は、インターネットに接続するために必要な設定を提供する事業者です。具体的には、後で説明するIPアドレスやDNSを提供します。4G/5Gの場合は通信キャリアがプロバイダを兼ねていることが一般的ですが、Wi-Fi接続の場合、通信回線事業者とプロバイダの両方と契約する必要があります。

テザリング

テザリングとは、スマホを無線アクセスポイントに見立てて、そこにパソコンなどをつないで通信することです。Wi-Fiのない場所でパソコンをインターネットにつなぐ必要があるときに利用します。スマホから先の通信は4G/5G経由なので「ギガが減る」ことに注意が必要です。ちなみに、テザリングとは、英語で「つなぎ止める」という意味です。

パケット

ネットワークでは、大きなデータを決まったサイズに分割してから送信します。この分割されたデータのことをパケット(小包)といいます。パケット分割して送信することで、大きなデータがネットワークの通信経路を占有する状態を避けます。携帯電話サービスでは、ユーザーが利用したパケットの量で料金を決める従量制を取っているところがあり、その場合通信に使ったパケットの量が通信料金を左右します。月額固定制の通信サービスの場合はパケットの量で料金は変わりません。

公衆無線LAN(公衆Wi-Fi)

公衆無線LAN(公衆Wi-Fi)は誰でも利用できるよう公開された無線アクセスポイントです。完全に無料で使えるものと、有料制のものがあります。公衆無線LANの中には、セキュリティ設定がまったく施されておらず、パスワードなどの入力なしで接続できるものもあります。その場合は通信が暗号化されないため、通信内容が傍受される恐れがあります。なるべく使用は避けましょう。

長距離で使えるWiMAX(ワイマックス)

無線通信にはWiMAXというものもある。WI-Fiは屋内用だが、こちらは屋外で使える規格で、「モバイルWi-Fi」というサービス名で紹介されていることもあるぞ

あー、CMで聞いたことがある気がする!

4Gや5Gとはどう違うの?

屋外で使える無線通信規格という点では被っているから、まぁ違う団体が推進しているライバルというところかな

WiMAXは、IEEEという団体が推進している長距離無線通信技術です。4G/5Gの規格はITU(国際電気通信連合)が定めているので、推進団体が異なります。通信方式など細かい違いもあるのですが、大まかには、携帯電話の流れを汲む通信キャリアが採用しているのが4G/5G、それ以外の企業が使っているのがWiMAXぐらいに理解してください。

WiMAXは、「モバイルWi-Fiルーター(またはポケットWi-Fiルーター)」という通信機器で使われることがありますが、「WiMAX=モバイルWi-Fi」ではありません。持ち運び可能なルーターとパソコンの間をWi-Fiでつないでいるから「モバイルWi-Fi」と呼ぶのであって、ルーターと基地局の間の通信にはWiMAXや4G/5Gが使われています。

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IEEE(アイトリプルイー)と標準化

通信規格について調べているとIEEEという言葉を耳にすることがあります。IEEE(米国電気電子学会)は電気・情報工学関係の規格を標準化する組織の名前です。電子機器の規格がメーカーごとにバラバラだったら通信できないので、メーカーを超えた規格のすりあわせをすることを「規格の標準化」といいます。IEEEは、標準化を行う組織の1つなのです。IEEEが標準化した規格には「IEEE番号.枝番」という名前が付けられ、コンピューターネットワークに関するものはIEEE802となります。

  • イーサネット(有線通信)がIEEE802.3
  • Wi-Fiの規格がIEEE802.11
  • WiMAXがIEEE802.16

「つながりにくい」の理由

インターネットにつながらなかったり、すごく遅くなったりすることって時々あるけど、何でなの?

理由はいろいろあるんだよね

無線通信がつながりにくくなったり、遅くなったりする原因には次のようなものがあります。

  • 近い場所にスマホがたくさんあって混雑している
  • 基地局や無線アクセスポイントから遠い
  • 電波を遮断する壁がある

電波には、「1秒間に波が振幅する回数」を表す周波数というものがあり、周波数が同じだと混信してしまいます。音でも、低音と高音が同時に届いたときは聞き分けられますが、低音どうしや高音どうしだと音が混ざって聞き取れなくなりますね。理屈はそれと同じです。

そのため、複数のスマホが1つの基地局と通信するときは、使う周波数を微妙に変えたり、短い時間で通信する機器を切り替えたりしています。それでもスマホが集中し過ぎると、処理しきれなくなってしまうのです。

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電波は、周波数が高いほど壁などの硬い物体にぶつかったときにはね返りやすくなるという性質があります。そのため、通信キャリアが高い周波数しか用意していない場合、ビルの地下などでは電波が壁にはね返されてつながりにくくなります。また、Wi-Fiでは2.4GHz帯と5GHz帯という2種類の電波が使えますが、5GHz帯は周波数が高いため、壁ではね返って届かないことがあります。

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Wi-Fiは2.4GHz帯のほうが遠くまで届きやすいんだけど、この周波数は電子レンジなども使っている。だから、電子レンジのスイッチを入れた途端、通信が切れたりするぞ

Wi-Fiの場合は、無線アクセスポイントが近い場所に集中していても、速度低下の原因になります。無線アクセスポイントも電波を発しているので、近くにあると混信が発生するためです。4G/5Gと違って免許が不要なために無計画に設置されがちで、その結果、通信速度が低下することがあるのです。

無線アクセスポイントをたくさん置いたら速くなるのかと思ってた

うまく設定すれば速くなることもあるけど、無計画に増やすのは逆効果だね

インターネットの仕組み

インターネットを支えるIP

インターネットは世界の反対側にいる相手にもデータを届けられるすごいネットワークだ。それはIPというプロトコルに支えられているおかげなんだ

プロトコル?

プロトコルとは「通信ルール」のことだ。同じプロトコルをサポートした機器同士じゃないと通信できないぞ

インターネットは、IP(Internet Protocol)というプロトコル(通信ルール)に支えられています。IPが定めているルールとは、データが外部から届いたときに、自分のネットワーク宛だったら取り込み、そうでなければ隣接する他のネットワークに送り出すというものです。ネットワークからネットワークへとバケツリレー式にデータを受け渡すことで、目的地のネットワークにデータが届くのです。

IPによるデータの受け渡しは、ルーターというネットワーク機器が行います。インターネットに所属するネットワークは、必ず1つ以上のルーターを持っています。

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ルーターだったらウチにもあるよ。無線ルーター

家庭向けのルーターは、インターネットサービスプロバイダにデータを送るためのシンプルなものだ。本格的なネットワーク用のルーターは、もっとスゴイモノだぞ

ルーターとルーティング

本格的なルーターは、「どこにデータを渡せば目的地に届くか」を調べる機能を持っている。この処理を、経路(ルート)を探すからルーティングというんだ

ルートを探すって、カーナビみたい

仕組みは全然違うけど、やってることは似ているね

ルーターが別のネットワークにデータを渡すときに、適当に送っていたらいつまで経っても目的地に着かないこともありえます。そうならないよう、ルーターは他のネットワークのルーターと通信し、どのネットワークがどこにつながっているのかという情報を更新しています。このつながり情報をもとに、目的地までの経路を決める処理をルーティング(経路決定)といいます。

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荷物を、知り合いの知り合いの知り合いに渡して届けるみたいな仕組みね

気が長い話だねー

そう、場所や距離とは直接関係なく、ネットワーク同士のつながりで目的地までデータが届く。それがインターネットの仕組みなんだ

すごく近いところにあるネットワークなのに、直接つながってなかったらどうなるの?

その場合はいくつかのネットワークを経由してデータが届くから、ちょっと届くのが遅くなるだろうね。ただ、ネットワークの通信は高速だから「ごくわずかに時間がかかる」程度だけど

ドメインネームとIPアドレス

インターネットでデータを送るときは、宛先や送り主を表す情報が必要になる。それがドメインネームとIPアドレスだ

ドメインネームとIPアドレス。どっちも聞いたことないなー

メールアドレスとURLなら知ってるよね。ドメインネームはそれらの中で使われるネットワークの名前だよ

インターネット上で通信相手を指定するために、メールアドレスやWebページのURLなどが使われます。メールアドレスの「@以降」や、URLの「○○○.com」の部分をドメインネームといい、インターネットに所属している1つのネットワークを表しています。ドメインネーム以外の部分は、ネットワーク内にある特定のコンピューターやファイルなどを表しています。

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ドメインネームは人間が理解しやすいように付けられた名前で、コンピューターは「IPアドレス」という番号を使うんだよ

コンピューターは実際の通信を始める前に、ドメインネームをIPアドレスというものに変換します。IPアドレスは数値で構成されたもので、郵便番号や電話番号に近いものと考えてください。IPv4アドレスとIPv6アドレスの2種類があります。

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郵便番号や電話番号みたいなもので、データが届けられるなら納得ね

役割は似ているけど、大きな違いがある。郵便番号や電話番号は「東京のどこか」「埼玉のどこか」みたいな地図上の場所を表す情報が含まれているけど、IPアドレスには物理的な場所の情報はないんだ

それでどうやってデータが届くの?

それはさっき説明したように、ルーターがネットワーク同士のつながりを調べてデータを届けるのさ

DNS(ドメインネームシステム)

ドメインネームとIPアドレスを相互変換する仕組みをDNSといいます。スマホやパソコンが通信するときも、URLやメールアドレスに含まれるドメインネームを、「DNSサーバー」というコンピューターに問い合わせ、IPアドレスに変換してから通信を開始します。DNSサーバーは主にインターネットサービスプロバイダが提供しており、これがないとインターネット接続に問題がなくても通信できません。

ネットワークを体験したい

Webブラウザのネットワーク監視機能を使う

ネットワークを体験する一番手っ取り早い方法は、Webブラウザのネットワーク監視機能を使うことだ。確認できるのはWebの通信だけだけど、見ているとなかなか面白いよ。

多くのWebブラウザには通信機能を表示する機能があります。Google Chromeの場合は、「デベロッパーツール」の「ネットワーク」タブで、Webページを表示するまでにやりとりしたデータを見ることができます。

よくわからないけど、1つのWebページを表示するだけでもいろんなデータが必要みたいだね

どんなデータが必要で、通信にどれぐらい時間が掛かったのか、どこから届いたデータなのかなどを調べることができるんだ

ネットワークアナライザーを使う

Web以外の通信も見たい場合は、ネットワークアナライザーを使うといいぞ

Webブラウザのネットワーク監視機能ではWebの通信、つまりHTTPによる通信しか見られませんが、ネットワークアナライザー(パケットキャプチャツールと呼ぶことも)を使えば、TCPやIPの通信も見ることができます。フリーソフトのネットワークアナライザーには、Wiresharkなどがあります。

Wiresharkのダウンロードページ

こっちはさらによくわからないな~

上段のリストは、ネットワーク通信の1つ1つのやりとりを表しているんだ。リストの右側にある「Info」欄を見てごらん

あ、これって第4章で説明されてたHTTPリクエストとHTTPレスポンスだね

そう。そして上段でやりとりを1つ選択すると、中段のリストに通信に使われるプロトコルが表示される

イーサネットⅡ、インターネット・プロトコル、トランスミッション……。これ習ったっけ?

イーサネットは有線接続、Internet Protocolは略すとIPだよね。少し前に説明されたよ

これはネットワークケーブルやWi-Fiを通して届いたデータ(フレーム)が、イーサネット、IP、TCP、HTTPなどのプロトコルで処理され、最終的にWebブラウザに届いた様子を表しているんだ

へえー

こんな感じにHTTPとかIPとか、知っている用語が表示されていないか気にしながら見てみると面白いぞ。ネットワークの理解が深まるにつれて、データがどんなふうに届くのかが見えて来るはずだ

本教材を使用する上での留意点

ITベーシック学習教材は「クリエイティブ・コモンズ・パブリック・ライセンス」に従って、下記のとおりライセンスされています。