LinuCレベル1 Version 4.0 101試験の例題と解説

103.1 コマンドラインの操作

今回は101試験の試験範囲から「103.1 コマンドラインの操作」についての例題を解いてみます。


■トピックの概要

このトピックの内容は以下の通りです。

<103.1 コマンドラインの操作>

重要度 4

<説明>
コマンドラインを使用して、シェルおよびコマンドと対話できる。
この目標は、bashシェルを使用することを想定している。

<主要な知識範囲>
・1つのシェルコマンドおよび1行のコマンドシーケンスを使用して、コマンドラインでの基本的な作業を行う
・定義することを含めたシェル変数の使用と変更、環境変数の参照とエクスポート
・コマンド履歴の使用と編集
・定義済みパス内に存在するコマンドおよび存在しないコマンドの呼び出し

<重要なファイル、用語、ユーティリティ>
・bash
・echo
・env
・export
・pwd
・set
・unset
・man
・uname
・history
・.bash_history

■例題
オンラインマニュアルで/etc/passwdファイルの書式を調べる方法として正しいものを選択してください。

1. man passwd
2. man 5 passwd
3. man /etc/passwd
4. man -k passwd

※この例題は実際の試験問題とは異なります。


解答と解説

答えは「2. man 5 passwd」です。

manは、マニュアルページを表示するためのコマンドです。
コマンドの使用方法や設定ファイルの書式等のマニュアルを参照することができます。

マニュアルページは、次のセクションに分類されています。

1 実行プログラムまたはシェルコマンド
2 システムコール(カーネルが提供する関数)
3 ライブラリコール(プログラムライブラリに含まれる関数)
4 特殊ファイル(通常は/devに含まれるファイル)
5 ファイル書式と規約(例 /etc/passwd)
6 ゲーム
7 その他(マクロパッケージや規約)
8 システム管理コマンド (通常はrootが使用)
9 カーネルルーチン [非標準]

セクションを指定してマニュアルページを参照する場合は以下のように指定します。

man セクション 名前

例題の選択肢について解説します。

1. man passwd
セクションを指定しない場合、予め定義されたセクションの順序で名前を検索し、最初に見つかったマニュアルページが表示されます。

通常は 1(実行プログラムまたはシェルコマンド) の優先順位が高く設定されていますので、この指定方法ではpasswdコマンドのマニュアルページが表示されます。

2. man 5 passwd
セクション5(ファイル書式と規約)を指定していますので、passwdファイルの書式を調べることができます。

3. man /etc/passwd
manコマンドの引数に調べたいファイル名を指定しても、マニュアルページは表示されません。

4. man -k passwd
manコマンドの-kオプションを使用すると、名前または要約の中に指定したキーワードを含むマニュアルページの一覧を表示することができます。
この指定方法では、passwdというキーワードを含むマニュアルページの一覧が表示されます。

コマンドや設定ファイルの書式を調べる時にmanコマンドを使用するととても便利です。
manコマンドの使用方法を理解しておきましょう。


■例題作成者 株式会社デージーネット OSS研究室 大野 公善 氏

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